マンガでわかる直流安定化電源

第二話 問題は取説以前から始まっている

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第二話 あとがき

第2話は、宇都木に「取説を読む」という宿題をもらった水美(みなみ)が、不案内極まりない内容に悪夢を見る様子から始まりました。電気の知識が少ないみなみにとっては、呪文が書かれたぶ厚い魔術書を読むようなものでしょう。電子工学出身の方なら、ここまで極端な負担感はないでしょうが、しかし丹念に読むと、初見の技術用語があったりするはずです。第2話のテーマの一つが、この「取説を読んでください」という極めて普通の事柄です。取説を読む意味は、正しい使用法の理解もさることながら、自分が「この機械の何をわかっているのか、わかっていないのか」を知ることにあります直流電源は電気エネルギーそのものが出るため「だろう、はずだ」での操作が危険に直結します。それは最も避けなければならない事項です。

そしてもう一つのテーマが、用途に適した直流電源を選ぶことです。宇都木は「電気のプロ=電源回路のプロではない」と言いました。多くのエンジニアにとって、直流電源は「ブラックボックス」ではありませんか? 電源は既にあるものとして、応用回路を開発、設計されてるエンジニアの方が多数ではないかと思います。「電源の中身(回路)についてはよくわからないが、所定の電圧・電流が出れば何でもいいのでは」と薄々思っている。それが実相ではないでしょうか?
しかし一方で当社のみならず、世には直流電源のモデルが山ほどあります。なぜこんなに沢山のバリエーションがあるのでしょうか? なんでもいいのなら、バリエーションは出力電力容量の差ぐらいで十分でないでしょうか? 嗜好品ならデザインや色・質感といった外観での差別化もあり得ますが、業務用機器にそこまでのニーズがあるとも思えません。単に各メーカーの商売の都合でそうなっているのでしょうか?

ユーザは「なんでも大差ない」と思い、しかし市場にはバリエーションがある・・・。直流電源の「なんでもいい(はずな)のに、よくわからない=上手く使えない」という問題はこのギャップから生じているのではと思うのです。そうです。直流電源は「なんでもよくない」からバリエーションがあるのです。そこで、数多のバリエーションから用途に合う直流電源を選ぶ基本知識として、「回路方式」と「レンジ」という概念を示しました。これら以外にも動作特性や機能などによって、実際のモデルは細分化されていますが、まず知るべきはこの二つの概念です。そして「モード」という概念。モードは直流電源の選択ではなく、操作する上で必須となる知識で、とりわけ「定電流モード」がハードルになるはずです。

次話以降では、ここで示した三つの概念について順に説明して参ります。少しづつ内容が難しくなるかもしれませんが、引き続きお付き合いいただければと思います。

直流電源と交流電源の菊水電子

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